上山院長ブログ

2018.08.08

火山灰対策には鼻腔洗浄から

 ビューティーコアサポート外来院長の上山です。

鹿児島に住むようになり、一番困ったことは、“火山灰”です。

鼻や喉の疼痛が持続するようになり、鼻閉感も強くなりました。

ここで思い浮かんだ対策が“鼻洗浄”です。

アーユルヴェーダや分子栄養においても、鼻洗浄が薦められる事を知ってはいました。しかし鼻洗浄には抵抗がありました。

なぜなら、幼少時にスイミングスクールに通っていた時の鼻から鼻腔に水が入る嫌な感じと、その頃の中耳炎手術の思い出が、若干トラウマのようになっていたからです。

しかし通常の口からのうがいでは効果がないため、とりあえずやってみようと思い立ちました。

結果は良好です!痛みは軽くなりました。

鼻洗浄は、鼻腔洗浄や鼻うがいとも言い、液体を鼻腔からいれ、もう一方の鼻や口から出し、鼻腔内を洗浄する事です。

顔には副鼻腔ふくびくうという上顎じょうがくどう前頭ぜんとうどうこつどう蝶形ちょうけいこつどうという空洞空間があり、それぞれ異なりますが、鼻道と交通しています。

鼻や副鼻腔は、異物や病原菌が体内に入らないようにも働いているので、良い状態でないと感染症にかかりやすくなる原因になります。

そして、以前より疑問に思っていたので、この機会に火山灰には何が含まれており、どんな害があるのか調べてみました。

火山灰はマグマや既存の岩石の細粉です。

桜島の火山灰には結晶性のシリカが多く含まれています。

IVHHNによると、In vitro実験において、4μm以下の吸入可能な火山灰で、水酸基が産生されました。それは肺の中でDNA損傷や炎症の原因となり、結果的に肺疾患を引き起こす可能性があると指摘しています。

また火山灰表面の鉄粒子が、フリーラジカル生成に関与しているようです。

火山灰が多いときは、硫黄の臭いがするなと感じていましたが、悪影響を与えるものに“火山ガス”も重要です。

有害ガスとして二酸化硫黄ガス(SO2)と硫化水素ガス(H2S)が取り上げられており、桜島は主にSO2ガスのようです。

吸い込むと呼吸器や眼、鼻を刺激され、高濃度だと死に至る可能性もあります。

市内の測定局においても、濃度の高い日があり、その影響は少なからずあるでしょう。

桜島に限らず活火山は日本に129もありますし、PM2.5や黄砂、排気ガスなど大気汚染物質は現在のところまだ影響は大きいようなので、身を守る方法の一つとして、「鼻洗浄」は良いように思います。

参考資料

火山灰の健康影響地域住人のためのしおり:防災科学技術研究所(2007)

International volcanic-health hazard network:IVHHN、

http://www.geocities.jp/ychojp/ivhhn/guidelines/health/ash_health_japanese.html

桜島火山の岩石:国立研究開発法人産業技術総合研究所

https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/sakurajima/vol1/text/exp01-1-5.html#

坂本昌弥・木下紀正(2015)桜島火山噴出物の大気環境影響.鹿児島県立博物館研究報告(34)49-64

坂本昌弥・木下紀正(2018)桜島火山噴出物の大気環境影響.鹿児島県立博物館研究報告(37)89-99

坂本昌弥・木下紀正(2017)桜島火山周辺の大気環境.VISIO (47)149-169

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